「自分を責めてしまう人」がまず手放したい3つの思考癖

自然光の差す室内で、うつむきながら静かに考える人物の姿

何かうまくいかないことがあると、
「私が悪いんだ」 「もっと頑張れたはず」と自分を責めてしまう——
そんな癖に心当たりはありませんか。

自分を責めることは、一見「反省」や「誠実さ」のように見えるかもしれません。
でも、度を越すと心がどんどん疲れていきます。

この記事では、「自分を責めてしまう人」が持ちやすい3つの思考パターンと、そこから抜け出すためのヒントをお伝えします。


目次

なぜ「自分を責める」クセがついてしまうのか

責めることで“安心”しようとする心の動き

多くの人は、自分を責めることで「状況をコントロールできる感覚」を取り戻そうとしています。
たとえば、誰かとの関係がこじれたとき——
「自分が悪かった」と思えば、“自分さえ変われば解決する”という希望を保てる。

それは無意識のうちに、「無力感」から自分を守ろうとする心理的防衛なのです。

幼少期の体験・環境との関係

もう一つの背景には、育った環境があります。
親や教師が「ダメ出し」中心の関わり方をしていた場合、人は“褒められるより、叱られないこと”を基準に行動するようになります。

その結果、他人の気持ちを過剰に読み取り、少しの不調和でも「自分のせい」と感じやすくなる。
これは、感受性が高く責任感の強い人ほど陥りやすいパターンです。


手放したい3つの思考癖

① 「全部自分のせい」思考

トラブルが起きると、反射的に「全部自分が悪い」と思ってしまう。
でも、現実には人間関係や環境、タイミングなど複数の要因が関係しています。

セルフワーク:「この出来事に関わった“他の要素”を3つ挙げる」
例:相手の気分/仕事量/その日の体調…など。
「自分のせいだけではない」と実感する小さな一歩になります。

② 「~すべき」思考

「もっと頑張るべき」「ちゃんとしなきゃ」という“義務の言葉”。
これは完璧主義のサインであり、自分を追い込みやすい思考パターンです。

本来の「こうありたい」という願いが、「~すべき」に変わる瞬間、あなたの中の“自由”が少しずつ失われていきます。

セルフワーク:「すべき」を「したい」に言い換えてみましょう。
「相手に優しくすべき」→「本当は優しくしたい」
この言い換えだけで、心の圧力が少し軽くなります。

③ 「他人と比べる」思考

SNSや職場の中で、他人の成功や努力を見て落ち込む。
比べること自体は自然な心理ですが、その比較が“安心を得る手段”になってしまうと苦しくなります。

セルフワーク:「他人」ではなく「過去の自分」と比べてみましょう。
「1年前より、できることが増えた」
「昔より、落ち込み方が少し優しくなった」
小さな変化を見つけることが、自己理解の第一歩です。


「責める自分」を責めないことから始めよう

落ち着いた雰囲気のデスクにノートとコーヒーが置かれている。

「また自分を責めてしまった」と気づいたとき、それを否定する必要はありません。

責めるという行動の裏には、「良くありたい」「人を傷つけたくない」というまっすぐな願いが隠れています。

だからこそ、その気持ちに「よく頑張ってるね」と声をかけてあげてください。
“責める自分を責めない”ことが、心を整えるいちばん最初のステップです。


まとめ:自分へのまなざしを、少しだけやわらかく

  • 自分を責めることは悪ではなく、「自分を守るための古い癖」。
  • その背景には、「安心したい」「成長したい」という自然な願いがある。
  • 3つの思考癖を少しずつ手放していくことが、「自分をやさしく理解する」練習になる。

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筆者:やまだ(公認心理師/Re-Lab編集長)
心理・教育・福祉の現場で人の変化を支援してきた経験をもとに、
「人が変わる瞬間」をテーマに発信しています。

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